群馬県昭和村。露地野菜農家・星野豊さん(52)のもとで、2人の中国人が農業研修に励む。日本語はカタコトしか話せない。その日の作業の内容を星野さんから身ぶり手ぶりを交えて教わり、黙々とこなしていく。
「パートのように家庭の用事で休むこともないから、農作業が計画的に進む。当てにできる労働力だよ」。星野さんは、研修生の受け入れメリットを実感する。
現在はレタス、ホウレンソウ、小松菜を計5ヘクタール栽培する。受け入れを始めた13年前に比べると、経営面積は1.5倍に広がったという。人手不足に悩む中山間地帯の郷(さと)で、中国人研修生が規模拡大を支える原動力になった格好だ。
研修生は毎年、吉林省から受け入れる。研修先は同村と旧利根村(現沼田市)の農家で、仲介役を果たすのはJA利根沼田だ。JA内に国際農業交流協議会を設置。職員3人が入国書類を作成したり、受け入れ先の農家を割り振ったりする。
来日した研修生は日本での生活に慣れるため、1カ月かけて日本語や風習、交通法規を学ぶ。その後、農家での研修に入る。協議会の用意する共同施設に寝泊まりし、農家に通うシステムをとっている。
研修期間中の生活面をサポートするのは、通訳の高島顕司さん(48)の役割だ。高島さんは毎日のように畑を回って、生活面で苦労していないか、精神的に悩んでいることはないかと気遣う。
こうしたJA、通訳のバックアップ体制が研修制度の定着に結びついた。これまでに約1700人もの研修生を受け入れているが、大きなトラブルはないという。
今年度は、181人が来日した。約100戸の農家で、収穫や出荷調製に汗を流している。
研修生の一人、李玉=さん(28)は、衛生管理にこだわる農家の丁寧な仕事ぶりに感心する。中国では収穫したホウレンソウをわらで束ねるだけだったが、ここでは泥を落とし袋詰めする。「とても、衛生的。中国もきっとこうなる」と言う。
協議会事務局長の高橋二郎JA糸之瀬支所長は「規模拡大を望む農家にとっても、中国人研修生の存在は欠かせなくなってきた。この労働力を管内農業の起爆剤にしたい」と意欲をみせる。
中国人研修生ニュース
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