安い賃金で外国人を働かせる不正が横行している研修・技能実習制度について、厚生労働省は10日、労働関係法令が適用されない研修制度を廃止し、受け入れ企業と雇用契約を結び、最低賃金などが保証される実習制度に一本化する方針を固めた。法務省や経済産業省と協議し、09年の通常国会への関係法案提出を目指す。ただ、政府内には異論もあり、調整が難航する可能性もある。
厚労省は昨秋、制度の見直しのために有識者による研究会を発足させた。研究会が11日の会合で、こうした方針を盛った中間報告案を示す。
現行制度では、入国1年目は研修生として学び、その後2年間は企業との雇用関係のもと、「労働者」扱いで技能実習をする。研修生には研修手当などが支払われるが、報告案では「実質的に低賃金労働者として扱われ、(実際には禁じられている)残業までさせられている」と指摘。中小零細企業などでは「組織的な労務管理体制が不十分で、『労働』とならないよう『研修』の性格を担保するのは困難」とし、「最初から雇用関係のもとで3年間の実習とし、労働関係法令の適用を図る」と明記した。
通常の労働者と同じように労働基準法や最低賃金法などが適用できるようにすることで、手当の未払いや違法残業などの不正行為に一定の歯止めをかける狙いだ。
また、劣悪な労働環境を改善するため、都道府県別の高卒初任給平均額などを参考に、適正な賃金を示すガイドラインを設定。受け入れの窓口役となる団体が、申請外の企業で働かせたり、中間搾取をしたりするケースもあることから、不正行為をした場合に新規受け入れをできなくする停止期間を現行の3年から5年以上に延ばす。団体の新設要件も厳しくし、新たに受け入れ企業への監理責任も負わせる。
現在は最長3年までの在留期間を条件つきで5年に延長することも認める。受け入れ団体を介さず、労務管理のしっかりしている大企業が直接受け入れる場合に限り、2年間の再実習を容認。3年間の初回実習を終え、一度帰国した後に再来日する形をとる。
厚労省は報告案を受け、出入国管理法を所管する法務省や経産省と協議に入る。ただ、経産省は、労働者として扱うと労働が中心となり、本来の目的である技能習得が難しくなるのではないかなどとして研修制度の廃止に難色を示している。
中国人研修生ニュース
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